家の屋根や、空き地に並ぶソーラーパネル。太陽光発電を見かける機会が増えたように感じませんか?
太陽光発電がこれほど増えた理由は、魅力やメリットを認める人が、続々と現れているからです。

太陽光で発電する仕組みや、太陽光発電を始める人達が感じているメリット、電気を売って収入を得る生活。身近でエコな太陽光発電がどういうものか、見ていきましょう。

太陽光発電とは?

太陽光発電は、太陽の光エネルギーで発電することです。太陽の光はたくさん使っても枯渇しないため、再生可能エネルギーの1つとされます。

世界で初めて太陽光発電が使われたのは、1958年のアメリカの人工衛星「ヴァンガード1号」。燃料が届かない宇宙で、電源として用いられました。

いまは、世界中で303GW(ギガワット)以上の太陽光発電が導入されました。ここまで太陽光発電が増えたのは、発電中にCO2などの有害物質が出ない特性をもつためです。大きな気候変動を防ぐために、世界の国々が太陽光発電に注力しているのです。

太陽光で発電する仕組み

太陽光発電は、半導体に光を当てると電気が生まれる「光電効果」という仕組みで発電します。太陽電池(ソーラーパネル、モジュール)は、n形、p形という2種類のシリコン半導体を重ね合わせた構造です。

半導体に太陽光があたると、電子が光のエネルギーを吸収して動きだします。このとき、2箇所の電極を導線で結ぶと、電流が流れます。エネルギーを抱えた電子が動き出して仕事をし、半導体に戻るサイクルを繰り返して、電力が供給されるのです。

ソーラーパネルって何?

ソーラーパネルは、太陽電池をたくさん繋げて大きなパネルにしたものです。一番小さな単位が「セル」、セルを板状に繋げたものが「モジュール(ソーラーパネル)」。「モジュール」をつなげた最大の単位が「アレイ(ソーラーパネル)」です。1枚のセルは出力が小さいため、屋根にはモジュール単位で太陽電池を載せます。発電できる出力を計算しながら、載せる枚数などを検討します。

住宅用と産業用の違い

太陽光発電の発電出力によって、FITの買取価格や買取期間に違いがあります。機材や管理に必要なコストにも差がありますので、太陽光発電の区分について知っておきましょう。太陽光発電を大きく分けると、住宅用と産業用の2つです。

住宅用太陽光発電10kW未満の発電容量で、発電した電気を家事に使うことができます。エコキュートやIHクッキングヒーターと組み合わせると、光熱費が節約できます。自家消費せずに余った電力を売る「余剰売電」ができます。
産業用太陽光発電発電容量が10kW以上の太陽光発電は、産業用として扱われます。発電した電力を全て売る「全量売電」と、自家消費の余りを売る「余剰売電」を選択できます。家庭に設置する場合も、10kWを超えると産業用太陽光発電に区分されます。

住宅用太陽光発電の仕組み

家やカーポートに載せた太陽光発電は、家庭内で使ったり、電力会社へ売ることができます。発電した電力量が消費する電力量よりも多いとき、余った電力を電力会社に買い取ってもらえます。逆に、発電量のほうが少ないときは、足りない電力を電力会社から買います。これらの電気のやり取りは全て自動で行われ、人の操作は必要ありません。

太陽光発電の電力がたどる道のりを、順番に見ていきましょう。

太陽光発電システムの構成図(一般的な住宅用太陽光発電の場合)

①ソーラーパネルで発電

屋根に取り付けたソーラーパネルで、太陽の光エネルギーが電気エネルギーになります。ここで出力されるのは直流電流で、一般的な家電に使うことはできません。家電で使うためには、交流電流に変換する必要があります。

②パワー・コンディショナーで電力を直流から交流へ

パワーコンディショナーは、直流電流を交流電流に変換するための機械です。電力を変換するときに、少量のエネルギーロスが発生します。変換効率が高い機種を選ぶと、失われるエネルギーを減らすことができます。

③屋内用の分電盤

分電盤はブレーカーや漏電遮断器が収まっている箱のことです。太陽光発電は、専用の分電盤を使います。パワーコンディショナーから出力された電力を受け取り、家庭内のコンセントや照明に電源を供給するのが役目です。

④電力メーター

電力会社に売った電力の量(売電量)と、電力会社から買う電力量(買電量)を計測します。かつては売電用メーターと買電用メーターをそれぞれ設置していましたが、今の太陽光発電は、スマートメーター1台でこれらの機能が使えます。

⑤蓄電池(※オプション)

電気代の節約や非常時のために、太陽光発電の余剰電力や深夜電力を充電できます。電気代を節約するときは、深夜電力を蓄電して昼間に使います。これが太陽光発電の「押し上げ効果(ダブル発電)」にあたる場合、買取価格が下がります。蓄電池の機種によっては、ダブル発電を避けることができます。

売電制度(FIT)って?

FITとは、太陽光発電した電力を売電するときのルールを定めた、「固定価格買取制度」のことです。太陽光や、風力、水力、地熱、バイオマスなど、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間、国が定めた価格で買い取ることを義務付けました。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(経済産業業)

FITはエネルギーの買取価格を法律で決める「Feed-in Tariff」を略した言葉で、ドイツやイギリス、スペインが先行して導入しました。日本においては、住宅用太陽光発電(余剰売電)が2009年、産業用の全量売電が2012年にスタートしています。

FIT(固定価格買取制度)の概要※新制度(2017年4月1日以降)の接続の場合

FITでは、太陽光発電の電力を売電するときの価格と、売電価格が維持される期間などが定められます。FITを適用すると、その時点で定められている売電価格(買取価格)が10年間〜20年間維持されます。例えば、2018年度にFITを適用した10kW以上の太陽光発電なら20年間、1kWhあたり18円(税抜)で売電できるということです。10kW未満は10年間、25円〜28円(税抜)です。

太陽光発電で発電した電力は、電気を各地へ送り届ける事業の電力会社(送配電事業者)が買い取ります。その後は他の電力と混ざり合い、電気を使う家庭や企業で使われるのです。

FIT(固定価格買取制度)のポイント

  • 買取期間・出力が10kW未満の住宅用太陽光発電は10年間
    ・出力が10kW以上の産業用太陽光発電は20年間

    なお、10kW以上の太陽光発電を余剰売電する場合も、買取期間は20年間です。
    太陽光発電の出力の考え方は、ソーラーパネルの合計出力、またはパワーコンディショナーの出力のうち低い数値です。
  • 買取価格太陽光発電の買取価格は、太陽光発電の容量と条件により異なります。

    ・出力制御対応機器設置義務がある→買取価格が少し高くなる

    出力制御の対象になる太陽光発電は、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力のエリアに設置する住宅用と産業用です。東京電力、中部電力、関西電力のエリアは対象外で、出力制御対応機器の設置義務はありません。

    ・ダブル発電(押し上げ運転)をする→買取価格が少し安くなる

    ダブル発電とは、住宅用太陽光発電とそれ以外の電力供給システムを併用することです。蓄電池、電気自動車、エネファーム、エコウィルなどを太陽光発電と同時に使うと、ダブル発電とみなされます。売電量を増やせますが、買取価格が下がります。
  • 買取対象10kW未満の住宅用太陽光発電は、自宅で消費した後の余剰分(余剰電力)が買取対象です。10kW以上の産業用は、発電した電気の全量を売る(全量売電)か、余剰電力を売る(余剰売電)かを選べます。
  • 2017年4月1日より改正FIT法適用FITにより急激に普及した太陽光発電。同時に、再エネ賦課金による国民負担や未稼働案件(※)の増加など、負の側面が目立つようになりました。

    ※ 未稼働の太陽光発電:高額なFIT認定を受けた後、発電所を設置せずにいること。国民負担の増大や、新規案件の妨害につながることが問題視されました。

    これらの問題を解消するため、2017年4月からFITの一部を変更した改正FIT法が施行されました。

    主な変更点は、FITの手続きが事業計画認定になったことです。太陽光発電の設置から廃棄までの計画を事前に作成し、一貫管理していく必要があります。メンテナンスが義務化されたのもこの時期です。違反すれば、FIT認定が取り消される可能性もあります。